Milindaの防音室

Milindaの書斎の別館。主に歌を置いていきます。

#19

パス出せんとこに居たらかんのがオフサイドやて
それ逆やにオフサイドやからパス出せんのやて

神すぎる歌よみは天地動かすんやと
下手でええて東海地震来るとかんでな

柳の下ぢゃない処に居た泥鰌の数
柳の下に居た泥鰌ぢゃないものの数

遠足はおうちで眠るまでが遠足
男の娘はちんちん見るまでが男の娘

(以上、旋頭歌?)

#18

蔓延と緊急事態なに以て距つ
泰然と認知僻見なに以て択ぶ

袖の鈕止めずに米を研ごうとして
歯を磨きつつ綿棒を捻り回して

右打席は紀洋ごっこ議論の余地なし
さて左はイチローごっこはた大谷か

俺は俺 勇ましく言う人もいるけど
僕は僕 相手がいなきゃ演じられない

触覚のない世界はないと解く教授
視覚だけで世界を成した電子の網目

視覚とは触覚の代行だとすれば
代行の下剋上の世がこの現し世か

(以上、旋頭歌?)


旋頭歌には以下の2つの特徴があると思っています。

  • 短歌や俳句よりも散文に近い。
  • 句構造にしやすい。

だから低負荷のトレーニングとしてしばらく試してみたのですが(慣れない人がいきなり韻文を作るのは高負荷なんです)効果がないと感じたらやめるかもしれません。


神西清「散文の運命」より

 ともあれ、和漢混淆体はかなり急調子な発達をつづけて、保元平治、殊には平家物語に及んで、ついに絶頂をきわめた。これらの軍記物に至って王朝の女性文体は、男性的な四六駢儷のスタイルと、みごとに結婚を遂げたのである。それは如何にも美しい事実ではあった。しかし同時にそれは、わが散文の韻文(正しくは律語というべきだそうだが)への降服を意味するものにも違いなかった。
(略)
こうして散文の堕落は、漢語の導入に伴って起らなければならぬ必然の勢いであったわけだ。単なる形式の模倣による詩文の混淆ではなくて、そうした必然に応ずるものであったればこそ、幼稚で未来性の全くない七五の音律と対偶法とは、これ以来いわゆる語り物の根づよい伝統を形づくって、永くわが散文を呪縛し、内在律の自由な伸長をさまたげ、ひいては思考をもいたく形式化するに至ったのである。


私がやっていたことは「幼稚で未来性が全くない」方向にわざわざ引き返そうとする愚行なのかもしれません。あるいは「思考をもいたく形式化」しているだけなのかもしれません。
自分は形式を知らない状態でスタートしたんだから、わざわざ形式に戻ってみることも無益ではないだろう、とも思うのですが……。

昭和文学全集: 評論随想集  1 (第33巻)

昭和文学全集: 評論随想集 1 (第33巻)

#17

龍軍*1は目処なきままに出家せるとや
然らば吾が読み書きするに目処要るものかは

龍軍曰く生類なべて意を注ぐもの
意を注ぎ思惟もし得るはヒトに限るとぞ

麦刈りに左で掴み右で鎌引く
掴む手を注意に鎌を思惟に譬へる

思惟するは切断するに似たるけれども
思惟はまた灯りで照らすことにも似たり

戒律は母なる沃土 伽藍の礎石
軽業師が軽業師たる為の足元

信仰は撹拌された泥土を鎮め
信仰は滾つ瀬わたる命綱なり

専念は能う限りの列挙を招く
専念は成る丈、丈の注視を導く

(以上、旋頭歌?)

仏教関係の本を読んで感じたことを書き留めただけ。他人に見せるならもっと練らないとダメか。って、前にも同じこと言ったな。

*1:龍軍は人名。インドの僧ナーガセーナのこと。『ミリンダ王の問い』で有名。ちなみに私のMilindaという筆名とは直接関係ない。

#16

人間の複雑さとの直面を拒否
占いの結果通りの単純さを庶幾

歯が痛むとの注意書きプロテインバー
腹持ちがよくて驚きプロテインバー

ベーコンの安さに驚くスーパーの隅
ベーコンの脂に驚く電子のおしゃぶり

驚の字を使い回した語彙なき私
今日もまた空回りする「語彙力上げたい」

(以上、旋頭歌?)

対句の練習がしたいのに、出来損ないのラップみたいになってるな。

#15

ハングリー精神だとか嘯くよりも
生物学的な意味でのハングリーさが

期限切れのプロテイン見てとりあえず飲む
期限切れの緑茶掘り出し嗅ぐだけにする

世の中にお前のための候補はいないぞ
逆しまの世を遠ざける票にはなるぞ

三日やり害が出たならやめてみようか
三週後も効果ないならやめてみようか
三ヶ月もたないことはやめてみようか


(以上、旋頭歌?)

#14

無くなって初めて知ったイオンの広漠
退いてみるまで気づけなかったわが卑小

通り抜けるだけで通報されるマンション
だったらば下町に建てるなよマンション

条文は天から降つた字の羅列だつた
普通でない者に人権ない時代だつた

健康でいるべき理由など持たぬ身を
健康でなければならぬ理由が襲う

歌よみになれると言の葉いただいたので
正座することを手習ひの始めとせむ

(以上、旋頭歌?)


句またがりがいまいち馴染んでいない感じですかね。

#13

シニフィエの範囲をも記号が決めるように
どこまでが民族なのか決める権力

バマーでもビルマでもよい口語の名前
つい最近銃で押しつけた文語の名前

上座部にもはや部はなく上座でいいとか
上座にも檀家積徳の概念はあるとか

竪琴を弾いてはならぬ上座の僧侶
遺骨には執着をせぬ上座の僧侶

モンの字をどうにか変えてビルマの文字に
声調をどうにか表記しビルマの文字に

鉄砲を国産化した島国あれば
傭兵に抱え込む大陸国家あり

元・自国のコメを買わねば飢饉が起きて
関税で自国の工場守れなくて

(以上、旋頭歌?)

ビルマ史の本を読んで感じたことをそのまま書き留めただけ。他人に見せるならもっと対句の完成度を高めるべきですかね……。